黒 龍 「兼定島酒造りの里」見学・試飲会報告

2006年5月17日


2005年8月より操業している黒龍酒造・兼定島酒造りの里

     
施設内は撮影禁止ということで、外観のみです...



2006年5月17日  黒龍酒造さんと直接取引の酒販店を対象とした見学会と試飲会が行われました。
兼定島(けんじょうじま)は、福井北インターの北で、黒龍本社から九頭竜川を挟んで車で5分程度(北陸自動車道から見えます)。
敷地面積は、約3,000坪(10,000平方m)。
 
水野正人 会長
 
水野直人 社長

「兼定島酒造りの里」は、本社蔵で造られた原酒をタンクローリーで搬入し、貯蔵、熟成、調合、瓶詰めと言った「商品化」の為の施設です。
これまでの本社蔵だけでは貯蔵スペースに限界があることが第1ですが、仕込みの最盛期にはタンクを空けなければ搾りが出来ないという「せめぎ合い」で、搾 りのタイミングを逸してしまうといった事態も発生していたそうです。
内部は3つの貯蔵室があり、それぞれ異なる温度での貯蔵・熟成を行っています。これとは別にサーマルタンクでの貯蔵も行っています。

 
畑山 杜氏

「兼定島酒造りの里」への貯蔵〜瓶詰め設備の移転に伴い、本社の仕込み蔵(今回は見学なし)にも大きな改修が行われました。
原料処理の行程で、洗米を手洗いに匹敵する少量での限定吸水を可能とする設備を導入!
そして、酒造りの要である麹室を4室から9室に増室!!
これにより、レギュラークラスは大吟醸クラスに匹敵する行程処理に、そして大吟醸クラスは35%精米の限定品に匹敵するレベルまで向上!!!
これに加えて、昨年は寒波による厳寒での仕込み(14期目となる畑山氏の経験の中で最も寒い年)という好条件で、最高の酒質に !!!!

 
利酒では、「逸品」から「石田屋」「二左衛門」まで試飲

 
「九 頭龍」の利酒

利酒しての感想
一番の驚きは「逸品」の酒質です。
当然ですが、試飲の順番として「逸品」から始まり、吟醸、大吟醸、「しずく」「石田屋」とグレードアップして利きます。
今回の「石田屋」は力強さがあり、逆に「二左衛門」は繊細、そして「しずく」は抜群の旨さ!
(ただし、毎年味わっている訳ではないので、過去の印象との比較ですが...)
それぞれのコメントを記入してレポートを提出。ほっとしたところで、「石田屋」などの限定品を再度味わう(もはや試飲ではない?)。
その直後に「逸品」を。
常識的に考えれば、その落差で最初の印象とは違うはずなのに、「旨い」!

その酒質が生み出した嬉 しい悲鳴?
焼酎に押され気味で出荷量が落ち込んでいた清酒業界に、下げ止りが見られるようになったそうです(黒龍には無関係?)。
黒龍さんでは、出荷が好調で、春になってもそのペースが落ち着かないという事態に!
特に顕著なのが、「逸品」と「龍」で、「龍」は近年にない伸びだとか。
特定の酒販店が大量にという現象ではないと言います。
このままでは、年末にはお酒が無いという事態を招きかねないというペース。
現在は、出荷を前倒しで対応しているけれど、それを続けていてはブレンドを早める為に造りで補う(早熟の酒を造る)事となってしまい、
それでは本来の造りではなくなってしまう、という事態を危惧しています。

今回、販売店には6〜3月までの希望数量の提出が宿題として出されました。
この数字(もちろん過去の実績をふまえて)を集計して、今後の出荷の調整が行われます。

品不 足によりお客様のご注文に応じられない事態も在り得る事をご理解下さいますようお願い申し上げます。



懇 親会  黒龍酒造醸造部・若き蔵人さん達です


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